モンゴルの風　安倉利行著

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月刊誌以外の書籍類

[メーカー名]: ソノタメーカー

商品解説

二十一世紀初め中国大陸には、我々蒸気愛好家の胸を掻き立てる風景が僅かに残っていた。若き日の頃に日本中を駆け巡り、蒸気衰退と共に消えていった想いが、広大な中国の大地で沸々と沸き上がり、憧れていた恋人に逢えたような気持ちにさせてくれる。現役で働く機関車達の喜びが、悲しみが、伝わってくる。砂漠の中を草原の中を高い山深い峪を往く彼らを心に刻み込む…
内モンゴル、誰しも夏の爽やかな風吹き渡る草原を思い浮かべるだろう。一面の草原に羊が草を食み、馬に乗った羊飼い、手のとどきそうな雲の流れ、高原モンゴルは、すばらしい風景が満ちている。しかし、ひとたび冬を迎えるとさえぎるもののない大地は、荒涼とした自然となり、爽やかだった風は、死の淵への誘いのように強烈な勢いで人々を襲う。そこに根ざし、生活を支える鉄道は、蒸気機関車、中国語で『火車』である。内モンゴルの厳しい自然で力強く働く火車と人々の暮らしをまとめた。