商品解説
本書は、JR西日本エリアを運行する特急車両を、詳細な解説と精巧なサイドビュー合成写真で紹介する図鑑です。681系や683系といった北陸方面の主力車両から、キハ187系やキハ189系などの気動車まで、西日本を代表する11形式を網羅しています。各車両の登場背景や開発コンセプト、車体構造や内外装のデザイン変遷、さらには台車や制御方式といったメカニズムまで深く掘り下げて解説しています。また、日々の運用や特別なラッピング列車、リニューアルの歴史など、多角的な視点から車両の魅力を紐解く充実した一冊です。
681系
1992年に北陸方面の特急の競争力強化を目指して登場した、最高速度160km/h運転に対応する交直流特急型電車です。量産先行車の9両編成から始まり、後に量産車として6両・3両編成が登場し、「サンダーバード」「はくたか」「しらさぎ」などで活躍した歴史がまとめられています。柔らかな流線型と貫通型のデザインを持つ車体構造や、GTO素子によるVVVFインバータ制御などの技術的特徴に加え、各種リニューアルや編成の組み換えの変遷についても詳細に解説されています。
683系
681系の改良型として2001年から導入され、「サンダーバード」や「しらさぎ」の主力となった形式です。アルミ合金製ダブルスキン構造の採用やIGBT素子の導入など、数々の技術的進化が解説されています。基本となる0番代のほか、2000番代、9両貫通編成の4000番代、北越急行から譲渡された8000番代、そして「まほろば」用として独自の内外装が施された6000番代など、多彩なバリエーションとその運用状況が網羅されています。
289系
「しらさぎ」で運用されていた683系2000番代をベースに、交流機器を撤去または使用停止にして直流化改造を施し、2015年に登場した車両です。主に「こうのとり」や「くろしお」などに転用され、それぞれダークレットとオーシャングリーンのラインで区別されています。フルサイズのグリーン車を半室構造(クロハ288)に改造する半室グリーン化工事の詳細や、明智光秀ゆかりの地をPRするラッピング列車などのユニークな運用実績についても触れられています。
271系
関西空港へのアクセスを担う特急「はるか」の輸送力増強のため、2019年に3両編成の増結用として登場した車両です。281系のブランドイメージを踏襲したシャイニングホワイトとストラトブルーの外観を持ちつつ、287系の安全性(前面衝撃吸収構造など)を受け継いでいます。全席へのモバイル用コンセント設置、多言語対応の大型液晶ディスプレイ、大型荷物置き場の設置など、近年の訪日観光客のニーズに応える最新の車内設備が紹介されています。
273系
岡山と山陰を結ぶ特急「やくも」専用として開発され、2024年にデビューした最新鋭の車両です。国内初となる「車上型の制御付自然振り子方式」を採用し、乗り心地の向上と乗り物酔いの低減を実現したメカニズムが解説されています。沿線の風景に映える「やくもブロンズ」の車体色や、グループ利用を想定した「セミコンパートメント」、山陰の伝統的な文様をあしらった温かみのある客室デザインなど、車両のコンセプトが詳細に記されています。
281系
1994年の関西国際空港開港に合わせて特急「はるか」用としてデビューした、都市型特急電車です。丸みを帯びた高運転台の独特な先頭部デザインや、かつて京都駅でのチェックインサービスに対応していた荷物室の存在など、空港アクセス特急ならではの特徴が解説されています。5両編成から6両・9両編成への変遷や、「ハローキティはるか」として日本の伝統美をモチーフにした多彩なラッピングデザインの展開についても紹介されています。
283系
紀勢本線の特急「くろしお(旧オーシャンアロー)」向けに、1996年に登場した制御付自然振子式の特急型電車です。イルカをイメージした流線型のパノラマグリーン車や、オーシャングリーンとビーチホワイトの美しい車体色が特徴です。海を眺められる展望ラウンジの設置など、リゾート特急としての魅力を追求した車内設備に加え、曲線の多い路線を高速で駆け抜けるためのベアリングガイド式振子機構のメカニズムが詳しく解説されています。
285系
「サンライズ出雲・瀬戸」として親しまれる、JR西日本とJR東海が共同開発した1998年登場の寝台特急電車です。従来のブルートレインの「夜」のイメージから「朝」を連想させるカラーリングへと転換し、車体の大部分を2階建て構造にして個室空間を最大限に確保した点が解説されています。最高級の「シングルデラックス」からリーズナブルな「ノビノビ座席」までの多彩な客室バリエーションや、シャワー室、ラウンジといった居住性を高める共用設備の詳細がまとめられています。
287系
「こうのとり」や「くろしお」向けに、2010年に登場した直流特急型電車です。JR西日本のアルミ車として初めて前面衝突吸収構造を採用し、オフセット衝突対策も強化されるなど、安全性が飛躍的に向上したことが強調されています。0.5Mシステムによる走行機器の標準化に加え、アドベンチャーワールドとコラボした「パンダくろしお」シリーズや、京都サンガF.C.のラッピング列車など、視覚的に楽しめる多様なバリエーションが紹介されています。
キハ187系
山陰本線などの高速化プロジェクトに伴い、2000年に登場した制御付き振子式の特急型気動車です。「スーパーおき」や「スーパーまつかぜ」などで運用され、大出力エンジンを各車両に2基搭載し、電車と同等のシステムを導入することで大幅なスピードアップを実現した経緯が解説されています。シンプルな切妻型のステンレス車体に、山陰の海や光をイメージしたブルーとイエローを配したデザインや、智頭急行線へ乗り入れる500番代の特徴などが記されています。
キハ189系
特急「はまかぜ」などで使用されていたキハ181系の置き換え用として、2010年に登場した特急型気動車です。コモンレール方式の燃料噴射システムを採用した環境対応エンジンを搭載し、最新の安全基準を満たす車体構造が解説されています。茜色を基調としたカラーリングや充実したバリアフリー設備のほか、近年大きな話題となった、日本の四季を彩る和のデザインを施した豪華な観光列車「はなあかり」への改造と、その特別な客室空間についても詳しく取り上げられています。
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