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商品解説
日本大学新鉄道研究会OB会会員の武田規一氏による自費出版蒸気機関車写真集。
書名の「紡煙」から蒸機の煙を糸に見立て織り上げたという思いが伝わってくる。
一般に認識されている鉄道写真は記録性に重きが置かれているが、同氏の作品は、風景はもとより、
鉄道員、乗客、線路際の人々が活写され、蒸機をとりまく情景の一つ一つが生き生きと蘇ってくる「記憶写真」とでも言うべき印象。
これこそがまさに時代の記録であろう。
昭和50(1975)年3月2日、国鉄蒸機が終焉を迎えるが、その後は温めていたモチーフを保存蒸機で追い求めるという
純粋性も武田作品の持ち味、保存機がいかにも現役機に見えるシチュエーションを捉え、現役時代と保存機の垣根を無くしてしまった。
昭和41(1966)年から現在まで綿々と鉄道写真を撮り続けている同氏の、温もりのある世界観が凝縮された一冊。