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鉄道模型の先進国である欧米で生まれました
おそらく1920年か、それより少し前頃、英国の趣味人が初めてそれを作り、
その規格と名称を欧米多数のメーカーが採用して広まりました
「HO」は欧米では現在でも最も普及している規格です
「HO」は縮尺の名称です
「HO」は線路幅の名称ではありません
消費者利益を守るためアメリカではNMRAが定義づけをしています
NMRA=http://www.nmra.org/
定義づけ=http://www.nmra.org/beginner/scale.html
消費者利益を守るためヨーロッパではMOROPが定義づけをしています
MOROP=http://www.morop.org/
定義づけ=http://www.morop.org/en/normes/nem010_en.pdf
基本は 1フィート=3.5mm スケール (世界共通)です
Oスケール (1フィート=7mm)の半分(Half)というのがHOと言う ネーミングの由来です
線路幅の名称
HOという名前のゲージ(線路幅)があると誤解している方が多いです。
欧米では基本的には線路幅には「名称」はありません。
線路幅にあるのは「寸法」だけです。
http://www.geocities.com/nem010/
マルチゲージが盛んで、ゲージが同じでも、縮尺によって 多様な姿の線路 があるからです。
それに対して縮尺には「名前」があります
線路から独立した模型商品がいろいろ存在するからです。
16.5mmの線路幅には5種類の縮尺による「線路」があり、 HOだけではありません
(1)HO | (1/87 16.5mm) |
(2)16番 | (1/80 16.5mm) |
(3)OO(ダブルオー) | (1/76 16.5mm) |
(4)Sn3−1/2 | (1/64 16.5mm)(日本では Sスケールと呼ばれる) |
(5)On30 | (1/48 16.5mm)(日本型は On2−1/2 と呼ばれる) |
実質的に「名称のある線路幅」 というものがあります
ユニゲージ・マルチスケールの世界を築く線路です
インフラを重んじるべき鉄道模型の本質はここから始まる!
(1)Nゲージ | (9mm) | (1/148 1/150 1/152 1/160) |
(2)16番 | (16.5mm) | (1/76 1/80 1/87) |
(3)Oゲージ | (32mm) | (1/43.5 1/45 1/48) |
(4)Gゲージ | (45mm) | (1/19〜 1/22.5〜 1/29) |
(1)と(3)はフィートインチ法を使う国が計算方法の都合で微妙に違う縮尺になった 結果的マルチスケールです。
(2)16番 だけが、名称も「HOゲージ」になっていません。
ヨーロッパ・アメリカともにHOは他の縮尺の10倍、100倍という大規模な規格
に発達してしまったので、理想的なユニスケール・マルチゲージを実現してしまい、
ユニゲージ・マルチスケールのベースになりませんでした。
もちろんダブルオーの車両を持っている方も居るでしょうから、その部分は
マルチケールですが、その人の趣味のメインには程遠いものです。
16番ゲージャーの方がOn30をつい買ってしまったのと大差無いレベルです。
また、HOのレールを使い、メーターゲージ車両を1/80で模型化した例が過去に
あります。(日本の16番と同じ)
この事実が、ユニゲージにはなり得ず、ユニスケールに特化していったHOという
規格の姿をさらに浮き彫りにしているように思います。
HOのレールを利用してユニゲージ・マルチスケールを実現したのは、
日本だけです。
ですから、この(2)だけが「16番」という日本語になっているのです。
「HOのレールを利用して実現したユニゲージ・マルチスケールなら他のゲージと
同じようにHOゲージでもいいではないか」と言う声が聞こえてきそうです。
しかし、日本にもこのユニスケールの鬼「HO」は根付いています。
16番より古くから外国型はありました。
現在では欧型も米型もマルチゲージで楽しんでいる方の比率が増えています。
日本型HO(1/87 12mm)が
出てきてしまいました。
既に16番より古くから日本に根付いているHO
日本型も実に多種の車両、パーツが売られているHO
HOがあるのに、1/80をHOと混同するような名称で呼ぶことは、現在、未来の
あらゆる 消費者の利益に反する可能性が大です。
この混同は昭和20年代、
早くも16番提唱者TMS主筆山崎喜陽氏によってはっきり
戒められいます。
現在全世界を網羅する「国際鉄道模型機構」のようなものはありません。
ですから国によってはHOと言う言葉を使っていなかったり
(NZ87=ニュージーランド、ニュージーランド国鉄の軌間は1067mmで日本
と同じです。線路は12mmを使用)します。
しかし、ニュージーランドも含めHOという言葉がスケール
(1/87・・・正確には3.5mmスケール)を表していることは、鉄道模型に対する
知識が一定レベル以上に達している世界中の人が理解しています。
もちろん日本の一部(アンケート=34.1% に近い比率)の人たちも理解してい
ます。
作為的に間違い知識を埋め込まれた日本の一部の人たちは、その後に一定レベルに達
しても意地になって「間違い」を主張しています。
「間違い」とは、日本に於いてHOは16.5mmのレールで1/80〜1/87を表す
というものです。
(1/72〜1/87とか1/76〜1/87を主張する人も居ます)
世界中の人が、
・・・そして日本でも相当多くの人が、HOの規格を理解していました。
後からそれとは違う規格に「これが日本のHO」だ、と主張した人が居て
それを信じ、主張する人には、「間違い」であると指摘するほか無いのです。
しかし作為的に間違いを埋め込んだ人の罪は重いと思います。
1/80と1/87を同じ名前で呼ぼうという考え方はおかしなことではありません
。
1/80の提唱者;山崎喜陽先生はそれにずばり16番という名称を与えています。
世界中で共通に理解されている「HO」という名称に似せた名前を、わざわざ異なる 概念(まずゲージあり→ユニゲージ・マルチスケール)の鉄道模型に与えようという 考え方はおかしいです。
特に、HOの概念(まず縮尺あり→ユニスケール・マルチゲージ) を理解している者の目から見ればほとんど犯罪行為です。
なぜ犯罪行為なのでしょうか。 まだその理由は上手く説明できません。 でも行為者が業者だったら犯罪行為であることの説明は簡単です。
HOという名称が販売に有利だからという理由で使っているからです。
TMSで1/80の提唱者山崎喜陽先生が、1/80もHOと呼ぶのはやめようと謳って いるのに多くの会社が詐称を続けてきた原因は、鉄道模型業界には
16番と表記した模型は売れない
HOと表記した模型は売れる
という法則がよく知られているからです。
どうして売れるのか?
理由はいろいろあると思います
1)昔は外国型が多く、日本型は極めて少なかった。
HOは一般の人にも知られていたので買ってもらえた。
2)昔は外国型が多く、日本型は極めて少なかった。
HOと書いてなければ同じレールを走る事を理解できなかった。
3)格好良い
といったところです。
逆にHOと表記して販売にマイナスの要素はありません。
一定以上の知識を持った人が見て恥ずかしい気持ちになったり、
不愉快になったりしますが、購買には影響しないからです。
では個人が1/80をHOと呼ぶことについてはどうでしょう?
仕方が無いかもしれません。
単に
「この人はこのレベルか」
と思われるだけのことです。
戦前、「HO」は日本のモデラー鉄道模型趣味者に既に知られていました。
ただし、HOが3.5mmスケールを表す縮尺の名称という正確な知識で日本に届
いていたかどうかは疑問です。
16ミリゲージ、
16.5mmゲージが「HO」であると理解されていたかもしれません。
しかし、「1/80」を提唱した山崎喜陽先生は、
その当初(=16年の年末頃でしょうか)から
「HO」=3.5mmスケールである事をはっきり示し、
1/80はそれとは別のもので、両方を16番と称しています。
戦後もTMSミキストで間違いに対する
警鐘を鳴らしています。
模型メーカーに対しては日本型発売に際して正しい知識を示しているはずです。
私は中学生時点で既に日本型は16番であり、決してHOではないことを知っていま した。
不思議ではないです。
理由は
1)ドイツ型HOの模型(フライシュマンのELと客車数両)は日本型より小さくて、
並べると違和感ありました。
2)TMSには16番という名称があちこちに登場していました。
16番とHOの使われ方を見れば両者が違うもので、HOという名は
「わざと」(詐称)か、「知らず」(誤用)か判らないけど、
正しくは16番である事はすぐ判ります。
昔、平気で「HO」と表記してあったものが、本当は16番であることを 「知らない人が居る」事の方が不思議でなりません。
日本型に1/87を持ち込んだ異分子たちに対する 憎しみから「知らぬ振り」 をしている人が多いかもしれません。
16番の概念(規格)に別の名称をつけることについては?
何の問題も無いと思います。
ただし、世界中で広く知られた「縮尺名」N,TT,HO,S,O,1,2,Gと似
た名称を付けるのは消費者利益に反するので良くないと思います。
JRゲージ(じゅうろくばんから来た名前)でもJゲージ(同じく)でもTM(鉄道
模型)でも80(はちまる、或いはエイト・オー)でも構わないと思います。
しかし、販売に有利であるからと「スケール名称」に既に使われている名前に似せた 名前をつけるのは犯罪に属すると思います。
Oスケールは0番(零番、ゼロ)とも呼ばれ、世界に3種類の縮尺が存在します その三種類は同じ名前を使い、共通の32mmゲージの線路の上に 「ユニゲージマルチスケール」 の世界を築くと同時に、夫々の地域に合った「ユニスケールマルチゲージ」の世界を 築いています。
(1)1/45スケール (ドイツ、スイス、日本)
このスケールにおける派生ゲージは
ヨーロッパのOm(22.5mmと22.2mmの2種類の線路が存在する)と
日本のOJ(24mm)です。
32mmゲージを採用した0番鉄道模型で最初に設定された縮尺であると同時に、
唯一の「ファインスケール」です。
19世紀末(1895年から1901年まで諸説がある)にメルクリンが提唱して
始まりました。
名前の由来は、当時の1番〜5番鉄道模型より
小さい鉄道模型だったので0番(零番)と名づけられました。
そして、アルファベット世界では0(ゼロ)はO(オー)に呼びかえられやすいので
O(オー)という名前も早々から使われていたようです。
(2)7mmスケール=1/43.5(イギリス、フランス、スイス)
19世紀まで鉄道模型においては、実物を縮尺どおりに縮小するという事より、同じ線
路が使えるかどうかということで精一杯だったと想像されます。
しかし、20世紀になると実物寸法から模型の寸法を得ると言う考え方が出てきます。
1875年、パリで締結されたメートル条約により、近い将来メートル法が一般的にな
ることを見越したものの、
実物車両はフィートインチの寸法で作られ続けていました。
そこで、実物=フィートインチ/模型=メートル法という考え方で決められたのが
1フィート=7mm という縮尺(1/43.5)です。
イギリス(フィート・インチ法)の鉄道模型の供給者が
ドイツ(メートル法を既に採用)だったからという説もあります
この1/43.5は、ドイツのOスケールの後から出来たことは確実と思われます。
なぜなら1435mmを7ミリスケールで縮尺すれば
「ずばり」33mmゲージになります。 (HOの倍です)
ドイツのOスケール(ゼロ番)の線路を借りたヤドカリゲージです。
イギリスで生まれたこの縮尺、世界中に広がる2つの縮尺の原型と考えられます。
1) 43分の1ミニカー;43.5の端数を切り捨てたものと想像されます。
2) 87分の1=HOスケールは、この「Oスケール」を半分にしたもの
これこそこの項の本題です。
また、ハーフオーであるこの新規格はテーブルレイルウェイと呼ばれ、
出現当初16mmゲージだったようです。
(線路幅に0.5mmの半端が付くのはさぞかし抵抗が大きかったことでしょう)
3.5mmスケール(Oの半分) 16mm(32mmの半分) です。
3.5mmスケールから線路幅が16.5mmとなっていくのは後日のことです。
名称はOO(ダブルオー)とHO(エイチオー)が並存する状況で、
次第にイギリス型は計算が簡単で動力搭載に余裕がある4mmスケールが
主流になって行ったようです。
最終的にはOOの名称には4mmスケール、HOの名称には3.5mmスケールと
決まっていきました。
順番としてはこうだと想像されます
1)ドイツで0番鉄道模型の出現(1/45 32mmファインスケール)
2)イギリス流のOゲージの出現(1/43.5 32mm・・・・
ファインスケール近似の7mmスケール)
3)イギリスでハーフオーが出現する
(3.5mmスケール・・・・1/87 16mm)
4)3.5mmスケールに従って線路幅も16.5mmとなる
(1/87 16.5mm)
5)ドイツメルクリンもHOを採用する(1/87 16.5mm)
Oスケールの命名者であるメルクリンが、HOと言う名前を(1/90 16mm) とせず、英国流の3.5ミリスケールにあわせたことを考えると、既にこの時代に 1/87 16.5mmは定着していたのでしょう。 この間、先進者であったドイツを差し置いてイギリスが鉄道模型の歴史を引っ張ってい るのは、第一次世界大戦(1914〜18年)でいかにドイツとその国民が大きな打撃 を受けたのかを物語っています。
OOゲージ;http://en.wikipedia.org/wiki/OO_scale
(3)1/4インチスケール=1/48(アメリカ)
7mmスケールと同じ考え方(実物寸法から模型の寸法を得よう)に立っています。
当初17/64インチスケール=1/45.2として考えられていました
メートル法を考えないアメリカ流儀を1/45である0番に当てはめようとしたもので
す。
しかし17/64では7mmスケールのようなすっきりした目的達成(実物寸法を換算
する)を目指せない事から、17を16にして16/64=1/4インチという大胆な
省略をして、それが多いに受け入れられてOスケールアメリカは少し緩いスケールに
なってしまいました。
派生ゲージとしてはアメリカのOn2(12.7mm)、On3(19mm)、On30
(16.5mm)と日本のOn2−1/2(16.5mm)があります。
ここで面白いのは日本のOスケールです。
既に正当なスケールを採用していたメインラインサブロクの模型が存在していたにもか
かわらず、ナローだけが三種類のスケールの中でも最もアバウトなアメリカ流儀を採用
してしまっている事です。
これは輸出によって模型メーカーが成り立っていた後進国日本の模型が、諸外国の影響
を強く受けながら成立していかざるを得なかった事情を良く表しています。
電話ボックスにしても、郵便ポストにしても、あらゆるシーナリーが「縮尺」をキーに
して成立していかざるを得ない模型世界においては同じ縮尺名称を戴く二種類の縮尺が
存在してしまった日本のOスケール世界は非常に厳しい状況におかれています。
天賞堂は2000年、1/64=Sスケールの日本型を発売しました。
単にSと言うと22.5mmゲージ(標準軌の模型)になってしまうのでSに小文字を 添記して線路幅1067mmの Narrow gauge の模型であることを表さ なくてはならないのです。
しかし、n(ナロー)を添記すると 「お笑い」になってしまうし 「j」もイマイチ、MOROP流に「m」は? ・・・mの語源は、この規格が本当に表したいメーターゲージの mですからこれも変です。
結果Sスケールと言う名称で発売しました。 無難な選択だと思います。
本来ならHOも事情は同じです。
HOスケールという名称も非現実的なものではありません。
HOの世界としては
1/87 16.5mmはHOゲージ
(メインラインの模型であることも表現できます)
16.5mmではないものはHOスケール
でも良いわけです。
元来ユニスケール・マルチゲージであるHOではホンモノのゲージが違えば模型もそれ
に倣います。ゆえに混乱の心配はありません。
残念ながら16.5mmゲージであれば1/80でもHOと呼ぶ業者が存在し、
消費者に誤解が多く使えない現状なのです。
OO9 | (1/76) | 実物は 610mmゲージ(1ft10in〜2ft6in) |
HOe | (1/87) | 実物は 762mmゲージ |
N | (1/160) | 実物は1435mmゲージ |
雑誌上に(1/87 12mm)の新車紹介が続々出てきます。
私(井門)は徹底的に16番ゲージャーでした。
Models IMONを創める2年前まで、この(1/87 12mm)という
規格を猛烈に憎んでいました
「誰がこんな馬鹿なものを始めたんだ!日本はもともと1/80と決まっているんだ
!!」
どうして出てきてしまったのでしょう?
13mmもやっていた私からすれば怒りは収まりません。
「どんな悪いやつが始めた規格なんだ?日本の鉄道模型を混乱に陥れるテロか?」
しかし、外国型にも興味があったり、持っていたり
狭軌と広軌、そしてナローを違う幅の線路に載せて遊んでみたり
と言うことを実現できるのはこれだけです。
また、13mmの困難(13mmの皆さんごめんなさい)を思い返すとき、 これ(12mm)を認める気になりました。
どうして出てきてしまったのでしょう?
出てくるのがこんなに遅かったのは何故なんでしょう?
鉄道模型趣味誌 1949年5月号 ミキストより
前略(英国模型界の話題)
ゲージは記事と広告から判断して、OとOOが最も盛であるらしくHOはみられない。
イギリスのOOとは4ミリスケール16.5ミリであり、
HOとは3.5ミリスケール16.5ミリであることはご承知と思うが、
我国の16番とはアメリカのHO、イギリスのOO、日本の1/80をとったものだから
、イギリスでOOが盛だと云うのは結構なこととなる。
16番と呼ばず、日本の16番をHOと呼ぶ人々には、何のことか判らないかもしれない
が。16.5ミリなら何でもHOと呼ぶのは困ったものである。
ミキストでHOと云う言葉を使うのはアメリカのHOとか、
イギリスのHOとか、それぞれの場合のみである。
もしあなたが16番をHOと呼ぶなら、日本のロコも1/87 で作るべきである
何故なら、HOとは16.5ミリゲージのことでなく、3.5ミリスケールを意味
するというのが国際的に一つの通り相場となっているからである。
鉄道模型趣味誌 1976年6月号 ミキストより
★こうして戦前は、
英国 | HO(3.5mm) | OO(4mm) |
16.5mm | 16.5mm | |
米国 | HO(3.5mm) | OO(4mm) |
16.5mm | 19mm |
1891年ライプチッヒトイフェアーで既にメルクリンによって提唱され、すでに世界 基準として通用していた鉄道模型の分類です。数字が大きいほど線路幅が大きな鉄道模 型です。
1番(1/32 45mm)、 2番(2in.または52mmゲージ)、3番(2+5/8in.または67mm)、 4番(3in.または75mm)、5番(4+5/8in.)となっていました。
2番;現在では1/22.5 64mmを表す
3番;現在では1/16 89mm(3インチ半)
5番;現在では1/11または1/12 127mm(5インチ)