HO1067
(1/87 G=12mm)
HO1067とは 鉄道模型Models IMON

HO1067  とは

「HO」 スケールで作られた日本型 狭軌の鉄道模型です。

日本の大手メーカーが 「HO」 「HO-Gauge」と表示している模型は「HO」 ではなく「16番」です。
鉄道模型雑誌はそれらの製品も正しく16番と表記しますが、 各メーカーではHOという表記が販売上有利な嘘表記を続けています。  コンプライアンスが重要性を増す時代ですので今後の改善が望まれます。 16番の車両は縮尺1/80とされていますが、 「HO」の広いゲージの線路(1/64相当)を走行できるように 色々な縮尺を使って姿をデフォルメしたり、断面を大きく作るしかありません。  ですから1/80は縮尺ではなく「概念」なのです。
実物に忠実な模型であることを諦め、走らせて遊ぶ事を重視した模型 (→ ゲージモデル )です。

その反対に、実物に忠実でありたいという模型本来の目的に添ってHOスケールで 作った模型がこの HO1067です。

HO1067の特徴 (カッコ内はその反面)

(1)縮尺どおりなので姿が美しい
(2)広軌/狭軌/ナローの線路も、縮尺通り別の線路がある (いくつも必要になる)
(3)世界各国の鉄道模型と同じ縮尺=並んでも違和感はない
(4)採用している人の数が少ないので、他社線への乗り入れチャンスは少ない (HOJCがある!)
(5)安価な製品は少ないので入門しにくい
(6)16番に比べやや高価である
(7)製品の種類は少ない、 欲しい車両が他の規格でだけ発売される悔しさを味わう
(8)趣味が深くなった時に後悔しない

16番(偽HO)の特徴

(1)採用している人が多いので他社線への乗り入れチャンスが多い
(2)プラスチック量産品の恩恵に浴することができるので入門し易い
(3)「BIG BOY」が「ブルトレ」を牽引できる まあ何でも出来る
(4)正面から見ると車両が全部ガニマタになる (スノープラウで多少は隠せる)
(5)車両に比べて線路がごつい  1/64の線路に1/80の車両が走るわけですから
(6)ゴハチは顔が幅広になる 蒸機は実物通りにスマートに作れない  いずれの場合もショーティーに見えるのでメーカーによってはわざと長く作る
(7)各社デフォルメの思想が違うので大きさが違う  ハチロク(48t)がD51(77t)並みのボリュームだったり、 大きなC62と小さなC62が並ぶことになる
(8)新幹線に大きさで負けない在来線が許せるか?  ゼロイチより大きなC62が許せるか?
(9)新幹線と在来線の線路幅が同じ!京急とJRも同じという 「玩具臭さ」が許せるか?
(10)ほとんどが1/87であるナローをやるときは そこだけ「別物」になってしまう
(11)発売される製品が多い (全部は買えない 欲しいモノは必ず時期がダブるものです)
(12)スケールモデル HO1067への劣等感は一生つきまとう

IMONは「世界共通HO縮尺によるスケールモデル= HO1067」を、 延いてはHOスケールによる"ユニスケール・マルチゲージ"を 日本の鉄道模型ファンに提案して行きます
規格名としては 天賞堂のSスケール製品と同じように HOスケール と呼んでもよさそうですが

(1)HO=16.5mmゲージ という誤解がある事

(2)HOではない模型にHOと表記しているメーカーがあり、 混同の恐れがある事

(3)単にHOと表記されると、 標準軌すなわち1435mm÷87=16.5mmになってしまう

という事に鑑みて当社では小さな文字で 1067(国鉄在来線の線路巾)を添付して 「HO1067 と呼んでいます。
これは の鉄道模型の規格制定団体が、Standard Gauge(1435mm) より狭い線路幅の鉄道模型には大文字の「縮尺名称」に 実物の線路幅をあらわす記号をアルファベット小文字で添付するルールなので、 ややそれに倣った名称を考えたのです。
(1983年初めて1/87  12mm規格が多くのメーカー共同で雑誌「とれいん」誌上で提案された時の表記は HO1067でした)

線路幅(ゲージ)は 12mm を使います。
線路は専用のものが用意されています。 HO1067 システムトラック

同じ「12mmゲージ」で縮尺の違う TT=1/120 があります Scale Gauge Table
12mmゲージの線路も元は「TT」のものです。

同じ12mm 1/87でも、 欧州の「HOm」はポイントでの枕木の並べ方が違います。 すなわち分岐角度の半分に対して直角に配置されます
日本は米国式に直線側線路に対して直角に配置され、 フログ後方の二本の枕木だけは分岐角度の半分に対して直角です。  理由はフログ後方に線路の継ぎ目が来る為で、IMONの HO1067用ポイントだけが この部分を表現しています。

欧    http://www.morop.org/de/normes/nem010_d.pdf
米    http://www.nmra.org/beginner/scale.html


ゲージモデル

ゲージモデルは、普及した線路で走らせるために

(1)車両ごとの縮尺の統一
(2)車両のプロポーション
(3)線路幅と車両の大きさのバランス

を犠牲にして作った鉄道模型です
代表的なものとして
★Nゲージ (1/150日本型)(Nスケール=1/160と一緒に遊ぶ)
★16番  (1/80日本型) (HOスケール=1/87と一緒に遊ぶ)
が知られています

犠牲となった部分について説明いたします

(1)車両ごとの縮尺の統一の破れ

  その1; 新幹線や外国型「スケールモデル」と縮尺が一致しない
縮尺が一致しないので人形などのシーナリー、ストラクチャー、 に大きな悩みを抱えます
ゲージモデルの存在価値は縮尺を複数にした"ユニゲージ・マルチスケール"です
本当のところ「マルチスケール」をやらない「ゲージモデル」はもったいないです
その欠点は、マルチスケールを実現する為の欠点だからです
もし標準軌モデルに興味が無いとすれば狭軌専門と言うべき13mmゲージを 早くから目指すべきでしょう。
シーナリ−、ストラクチャーはスケールモデルから生まれたものです
ゲージモデルでシーナリーを付けたら  「君、一番大事なもの、線路の幅が間違っているよ」  と指摘されても仕方がありません。

  その2; 蒸機や旧型電機などは幅広線路に載せるとプロポーションが崩れるので1/80 より大きく作られていることが多いのです
太らせた蒸機、長いゴハチ、メーカーによって大きさが違うシロクニなど、同じ編成 の中に「大きさ」が違うものが混ざってしまうことが多いのです
例えば日本型なのにまるでドイツの客車列車のように客車より機関車のほうが 頭ひとつ分背が高い客車列車になってしまいます。

(2)車両のプロポーション

ゲージモデルの場合、 実物とはかけ離れた幅広の線路を使います
そのためにかなり姿が変わってしまう車両が多いのです
蒸気機関車は走行装置全体が露出しているので実車より太くて逞しい姿になります
旧型電機は幅広デッキになりますが、 そう見えないように車体も幅広にする会社もあります
特にゴハチの場合、 先台車の幅がつかみ棒の幅を決めてしまうので顔が幅広になります
そして、車輪が奥まった位置に見える立体的な台車は表現不可能です

1/150とされているNゲージの線路幅は1/120 (TT9というスケールデルがありますね)
1/80とされている16番の線路幅は1/64 (Sスケールというスケールモデルがありますね)
全ての車両は両方の縮尺の中間領域(例えば68、70、72・・・・・・79)を 上手に繋げながら一見スケールモデルに見えるように作っています。  ですから縮尺では無いのです。 「希望縮尺」または「概念」です。 
縮尺が存在するかのような1/80という表示そのものが 消費者を惑わす不当表示かもしれません。  1/80を謳うなら本当に1/80で設計しなおして狭軌は軌間13mm、 標準軌は18mmで模型化しなくてはなりません。 

(3)線路幅と車両の大きさのバランス

走ってくる車両のボリューム感と線路幅の感覚がかけ離れてしまうので、 情緒が出ません。
「線路のわりにはやけに小さい車両が来たなァ」
「車両は良い雰囲気出たけど、 このゴツイ線路とごつい足回りは何とかならないのか?」
という感覚に至ります
特にシーナリー付きレイアウトの場合、折角の工作が生きません。

→→だから模型は「スケールモデルが良い」と思ったとしましょう
線路は一種類にしたいけど、標準軌と狭軌どちらも興味がある
N(1/160標準軌)とTT9(1/120狭軌)
HO(1/87標準軌)とSスケール(1/64狭軌)
は同居できるでしょうか?
・・・・・・・・・・・線路は流用できます
でも、同居はとんでもないです
その大きさの違いに仰天します!
車両限界が全然違う
連結器はつかえるはずも無く・・・
それらを同居させる"ユニゲージ・マルチスケール"を実現させるには、 一方にこの「ゲージモデル」が必要になるのです。
そこに「ゲージモデル」の存在意義があるのです。

でも、本物のゲージが複数なら模型でも複数必要であったほうが良いと私は思います 。
それが世界中で受け入れられたHOスケールによる"ユニスケール・マルチゲージ" なのです


更新09/03/04