(1/87 G=12mm) 1/87 12mmの呼称いろいろ 鉄道模型Models IMON

HOj⇒HO1067という呼称変更について

IMONでは創業10周年を期して長年使い続けてきた「HOj」と言う呼称から 「1/87 12mm」スタート時の名称でもある「HO1067」 へ呼称の変更を行いました。
HO1067と言う呼称の大きな欠点は、 どれが数字か英文字か区別が付かない長ったらしい名前です。 そこでせめてHO1067 と言う具合に、縮尺表記であるHOと、実物が標準軌ではない ことを表現するための添付文字1067の級数を変える作戦を立てました。  社内から提案された画期的な改修案です。
常に問題になる「呼び方」については
「エイチオウイチゼロロクナナ」
「エイチオウセンロクジュウナナ」
という呼び方でも良いですが
「エイチオウジュウニミリ」
「ジュウニミリ」
でも良いのではないかと考えております。
1067と言う数字は「読むものではない」と考えております。
「おっ!我らが狭軌だな」と感じてくれればよいと考えております。
HOj をやめる理由については、解説を読んでいただければ判るかと思いますが 「余りにも多い欠点」が理由です。
HO1067を使う理由は、 実物の狭軌を愛する者の心の琴線に触れる名前と感じるからこそ、 その名を愛さずに居られないというのが理由です。
以下の解説文は2007年に書いたものですが、 HOjを使っていた創業十年間の記録として基本形を崩さず、 読みやすくしたり解釈を付け加える程度の変更にとどめて置くようにいたします。    (2008年2月25日 井門義博)


日本型狭軌のHOモデルには、現在さまざまな呼び名が使われています。  残念ながら、統一は困難な気がします。
そのいろいろな呼称について、長所、短所について述べてみます。

HOj

長所 (1) 簡潔
    (2) OJからの連想か、狭軌(サブロク)の模型であることが感じられる
    (3) 欧米の規格命名法との整合性は「やや良い」
短所 (1) サブロクは日本だけではない 台湾C57は「HOt」か?
    (2) 日本はサブロクだけではない 尾小屋鉄道は「HOj」か?
    (3) 国名を小文字にするのはおかしい
    (4) jには特定の会社名が潜んで居そう
    (5) とっつきにくい(大文字と小文字の組み合わせだから)
    (6) jの文字だけ下に突き出すので扱いにくい

これは、IMONが現在採用している呼称です。
欧州のMOROP流に近い発想の命名です。
乗工社代表の倉持尚弘氏が長く主張してきた呼称です。
IMONがこれを採用したのは倉持氏の影響によるものです。
(HOe,ダックスストーリーから始まったものです・・・・・ 元はもっとMOROP流ですね)

エイチオージェイ  という呼び方は長すぎることもなく、Oスケールの世界で受け入れられたOJ(オー ジェイ)に通じるため、日本型狭軌のファインスケール志向の模型である事が感じて もらえる点は良いです。

短所(1)
1067mm→「サブロク」は日本だけで使われているのではありません。 
台湾、インドネシア、ニュージーランド、南ア、 (そして面白いところでは) サンフランシスコのケーブルカーといったところです。
南アフリカ共和国国鉄はサブロクの線路延長世界一です。 国際的には「サブロク」 は「ケープゲージ」と呼ばれています。  そこにはギネスブック記載の「7万トン」という記録を産んだ巨大スケールの貨物列 車群が走っています。
「HOc」ならば国際的な理解が得やすいと思います。
「HOj」は外国で一般的になったルール「HO」に合わせた表記のはずなのに、 日本の事しか頭に無いような文字を選んで来たのはなぜでしょう。

短所(2)
日本には色々な線路幅が存在します。  1067mmだけではなく、スタンダードゲージも多いですし、各種ナローも、路面 電車のゲージ(4フィート半・・・・・別名東京ゲージ)もあります。 Japan ≠サブロクです。

短所(3)
なぜ「j」は小文字なのか?
「欧」「米」それぞれの規格がともに
1.縮尺名を大文字で表記する
2.ゲージが標軌と異なる場合は小文字を添記してあらわす
というルールで揃っていますのでHOjはそのルールに合わせたわけです。
この点ではOJは「オキテ破り」です。
しかし、国名なら大文字を使うのが国際的常識です。(OJはこれに従っています)

小文字で「japan」の意味は「漆(うるし)」です。 「日本」ではありません。
ワードで「japan」と打つと赤いぎざぎざのアンダーラインで注意されてしまいます 。
国名を小文字添記文字にするのは元来発想として無理です。

もし「j」がJapanのJではないとすると一体何でしょうか?

倉持尚弘氏は「junior」という意味もあると言っていました。 (やめてくだ さい!)
日本型ってジュニアですか?
子供向け?
小さいですか?
えっ? でも縮尺は同じですよね。 標準軌と比べて車両が小さいですか?
それは疑問です。
例えばイギリス型、日本型とぴったり同じ大きさです。
欧州大陸でもメインラインの車両限界は日本と大差ないです。
東ドイツ国内の本線優等列車に使われていた客車は18m級で、日本型よりも小さな ものです。 ローカル列車は二軸、三軸客車で更に小さなものでした。
1988年オリエントエクスプレスは台車を履き替えてJR線上を走り回りました。
車両限界に大差ないことが証明されてしまいました。
おまけに、その時連結したオニ231(20系改造車)の巨大な断面は目障りでした ね。
日本の標準軌私鉄車両も日本の国鉄型より小さいです。

アメリカ型を中心に標準軌の幹線車両には日本の幹線車両よりも大きいものも多いの は事実ですが、それは規格呼称に呼ばれてくる話とは次元が違いすぎます。

短所(4)
やはりHOjの「j」はこの規格の牽引車であった乗工社の「j」らしいと言われ ます。
無理の多い「j」が付けられているのは・・・・・やっぱり
「j」は乗工社の「j」でしょう?と言われ、違いますよと言ってあとでにんまり 出来るまでの我慢という構図が見えています。
乗工社も固有名詞ですから大文字といわれると、ますます「露骨」な感じがします。
特定の会社に肩入れする名称とあっては相当厳しい評価を下さざるを得ません。

短所(5)
とっつきにくい
三つの文字の組み合わせのなかで大文字2つと小文字を1つの組み合わせは、 考えうる組み合わせとしては最悪です。 いかにも「変人」と言う感じです。
素直に「エイチオウジェイ」と呼ぶと恥をかきそうな雰囲気があって嫌です。
「OJ」がここまで素直に受け入れられたのは、大文字二つだったからです。
「Oj」だったとしても、文字2つですから「HOj」よりは数倍良いです。
それにしても、OJという名前にHOjのような抵抗感が全然ないのは何故でしょう ?

短所(6)
 j が他の文字より下に突き出す
使い方次第でお洒落にもなりますが、鉄道模型業で運用してみると非常に不便です。


HOJ

長所 (1) 簡潔
    (2) 狭軌(1067mm)の模型であることが感じられる
短所 (1) サブロクは日本だけではない 台湾のC57は「HOT」か?
    (2) 日本はサブロクだけではない 井笠鉄道は「HOJ」か?
    (3) HOの本家、欧米のルールと合わない HOではない・・・・ 半分独立してしまう感じ
    (4) 日本型13mmで使われたことがある

この表記を使った会社はHOjも使っていましたので、HOjとしたかったものを 校正漏れでJが大文字になってしまったものかもしれません。
三文字で表記するならこちらの方がベターだと感じています。
エイチオウジェイと素直に読めます。
OJが日本に早くから定着した感がありますので、このHOJの大文字のJに乗工社 の匂いはあまりしません。
それどころか、何故かJapan→Jの匂いも薄い感じがします。
ですから(1)(2)の欠点はHOjに比べて殆ど無いくらいに見えます。
Jを大文字にしたために世界のHOファミリーに一歩距離を置いた感じがするせいか もしれません
HO・・・すなわちユニスケール・マルチゲージです。
HOJという名前を使うということは、HO=1/87との繋がりは残した感じがし ますが、縮尺、軌間を「決め付けた」新規格だ!と言う感じがしてしまいます。
HOが本来持つマルチゲージ部分を切り捨てた感じがします。
これはOJの「感じ」「匂い」と似ています。
「O」ゼロ番の世界に於いて、日本型ナローがOn3−1/2と称して違う縮尺 1/48へ行ってしまった事の責任の一部はOJという ちょっと自己閉鎖的な名前にも有ったかもしれません。

HOJをIMONが採用するのは抵抗があります。
多くのモデラーが知っているように「HOJ」という表記を初めて使用したのは ニワモケイです。 同社のロストワックス製品の中で13mmゲージ用のパーツに 「HOJ」を使いました。 
「HO」の意味を「線路幅」と誤解し、 HOは 外国型と新幹線は1/87、日本型在来線は1/80 という間違った認識からそういう表記をしてしまったのです。
HOJ、いまさら1/87日本型に使うのはちょっと気が引けます。 


HOは、外国型と新幹線は1/87、日本型在来線は1/80
1/80日本型を提案したのはTMSの創設者山崎喜陽先生です。
HO
OO
1/80日本型
1/90満鉄型
を共通の16.5mm線路上に遊ぶ '16番'  として提案されたものです。 
HOと1/80日本型は別のものです
両方とも16番です。

16番は、外国型と新幹線は1/87、日本型在来線は1/80 と言えば正解です。

16番という名前が気に入らなければ、1/87を意味する輸入名称HOではなく Jゲージでも
JRゲージでも
80ゲージでも よいから違う名前をつけなくてはなりません。

16番といわずHOと言ってしまう人は、知らない人がほとんどです。
しかし、そうではないタイプの人も居ます。
16番をHOと称して販売している会社の社員や、それに近い人は「日本では昔から 1/80もHOだ!」と居直ります。
もしも「業」として鉄道模型を製造したり、販売したりする者が
「名前が格好良いから販売に有利である」
「名前が古くから知れ渡っているから販売に有利である」という理由で詐称した場合 、損害賠償請求の対象になる危険性もあります。
「悪意」と判定されれば、「不当表示」に相当します。
この訴訟を起こす可能性があるのは、縮尺が違うと知らずに購入したユーザーであり 、日本にHOの名前を定着させてきたメルクリンを中心とした海外メーカーです。

またHOと区別してHOゲージと称すれば何とかなるように見えるかもしれませんが 、この考え方は日本の鉄道模型の現状を知れば 「まるで問題外」 であることが判ります。


まるで問題外
HOゲージとしては日本型在来線の縮尺は1/80としますので、 京浜急行も1/80です。
それでは1/87 16.5mmの京浜急行の模型は何と呼ぶのでしょうか?
1/87の縮尺も、16.5mm幅の線路も、外国から拝借した「HO」の規格です 。
どこからどう見ても「HO」です。
強いて言えば、ホンモノの HO です。
HOゲージのルールによる1/80とどうやって区別するのでしょうか?
「HO」と「HOゲージ」という区別でしょうか。
「HOゲージ」は、間違いなく「HO」と呼ばれてしまいます。

「HOゲージ」=「HO」です。
「HO」と「HO」でしょうか。
「正調HO」と「偽HO」でしょうか。
写真は昨年IMONで発売した京急230形です。
京急デハ230
車種も同じ、メーカーも同じ、価格も同じ、発売日も同じです。
呼称が「HO」と「HOゲージ」→「HO」だとすれば紛らわしいです。
この二つの製品は「正調」と「妥協」でしょうか?
「ホンモノ」と「ニセモノ」でしょうか?

違います!

ユニスケール・マルチゲージ(HO)と、ユニゲージ・マルチスケール(16番)で す。
どちらもお客様に胸を張って誇れるIMONの鉄道模型製品であり、遊び方が違うも のなのです。
だから名称も「HO」と「16番」という全然違う名前です。
車両ならまだしも、HO(1/87 16.5mm)と16番(1/80  16.5mm)の両方に存在するパーツが増えてきているのです。

この問題は嘘のHO表記をしているメーカーの方たちは知りません。
絶対に知らないと思います。
知っていたら1/80にHOと表記は出来ないからです。


HOn3−1/2

長所 (1) NMRAのルールに忠実
    (2) アメリカ人に説明し易い
    (3) 乗工社(&ネコ)、エリエイのどちらにも与しない意思を表明できる
短所 (1) 何と呼んでよいか判らない=呼べない
    (2) 名前が長すぎる
    (3) 規格名称に1/2という半端が付くのは拙い
    (4) ニロクの模型(HOn2−1/2)と紛らわしい
    (5) メインラインの模型にnを付けるのはおかしい
    (6) HOn2、HOn3を採用せざるを得ない
    (7) 日本人はフィートインチに馴染めない
    (8) 日本人の多くは国鉄在来線が3フィート6インチとは知らない
    (9) 国鉄在来線は3フィート6インチではない
    (10) とっつきにくい

NMRAの規格表記ルールに最も忠実なので無難。 「乗工社・ネコ」陣営と「エリエイ」陣営、どちら側にも肩入れしていない事を表す ため無難。

無難がこの名称の利点といえそうです。

実際の長所は、アメリカ人に「この模型はどういう模型か」 説明し易いことだけかもしれません。
逆に検討すると最も問題点が多い表記です。

短所(1)(2)(3)
NMRAは、規格を共通化することがもっともユーザーの利益になるという事を早く から認識して努力していた点で評価に値するものです。
MOROPもこの偉大な先輩に一目置いています。
日本の趣味界でもこのような活動が出来ていない事を大変残念に思っています。
アメリカ人の根本的な部分での優秀性や、真の豊かさに敬服します。
しかし、その規格表記のルールを持ち込もうというのはずいぶんおかしな話です。
NMRAは合衆国市民であるモデラーの利益を考えてルールを作っていますので、他 地域のことは考慮していません。他地域に適応不能の超ローカルルールです。

大概の軌間がフィートで切ってしまえるアメリカに対して、日本の軌間は半フィート (=6インチ)が付くので、アメリカには好都合だった命名法を利用するととてつも ない鬱陶しい長い名前になってしまいます。
良い例;
HOn3
(エイチ オウ エヌ スリー)
!何と美しい響き!何者であるかを的確に表現しています。
悪い例;
HOn3−1/2
(エイチ オウ エヌ スリー アンド ハーフ)でしょうか? 
なに?
なんですって?
もう一回言ってもらえますか?・・・・・・
1/2と書いてありますが英語で何と発音するのでしょうか(私は知りません)
現実には
(エイチ オウ エヌ サンカ ニブンノイチ) または
(エイチ オウ エヌ サン とニブンノイチ) と呼ぶのでしょう
こういう規格の名前は、廃れる規格の名前です。
ニブンノイチなどという言葉が規格名に使われるのは問題外です。
普通に考えて規格名として使い物になりません。

まずはNMRAは自国が1/2を使う必要が無いからああいう表記にしたことが 理解できます。
On30というアメリカ人流の名称の付け方を見れば、この名称の「ぶざま」が浮彫 りになりました。
42インチ(サブロク)に対してアメリカ人がどう対応するのかはまだ謎です。
HO42・・・「HO死に」でしょうか・・・多分そうはしないように思います。
だいいちH042(エイチ・ゼロヨンニ)と区別がつきません。  私にはDBの重油燃焼の41型ミカド(BR042)を超高圧蒸気機関車に改造した 姿が想像されてしまいます。
HOn42・・・「エイチオーエヌフォーティートゥー」・・・ たしかにnを入れないとカタチにならない感じがします

短所(4)
ニロク(HOn2−1/2)と間違えます。
NMRAにかぶれて個人が「好み」「趣味」「主張」で使うのは自由ですが企業が 製品の表記に使うには問題があります。
ニロクとサブロクはあまりも違うものです。

短所(5)
nは標準軌より狭い Narrow Gauge を意味するnです。
日本のサブロクは実物の鉄道の世界で、国際的には Narrow Gauge の分類になります。
一方日本では、サブロクは「普通」であってナローではありません。
ここは日本ですので「ナローではない」という方が普通でしょう。

視点を変えて、日本は世界の一部です。
世界の鉄道の標準的な軌間は1435mmです。
それより狭い線路幅の模型であることを表現できているのでやはり一面に対しての 整合性は高いです。
ところが、そこから分かれ出るナローを持っているメインライン鉄道に対して「n」 を付けるのは表記システムとして奇妙です。
また、日本の鉄道を見た外国の鉄道模型人が「これはナローだな」などと思うと 思ったらまさに噴飯物です。
恐ろしく高いプラットホーム、驚くべきスピードで進入してくる腰高な電車!
4つドアで130km/h、特急の運転速度は160km/hに達しました。
そして連結器高さはアメリカのメインラインと同じです。
ゲージが違うことに気が付く人が居るかなと言う程度でしょう。
そんな電車の模型に n が付いていたら「あっ、これは違うものだな」 と思うでしょう。
鉄道が此処まで巨大な輸送システムになってしまった国は他にはありません。 旅客 輸送「人キロ」単位で日本のシェアは58%です。 地球全体のです。  米、欧、ロ、中、印、南米、アフリカ束になっても遠く及びません。
それらはそれぞれ広い線路幅だけどローカルトレインです。  たまに遠くまで走る列車もありますが、マイナーすぎて無視してよいほどの存在です 。
日本の数字の大半は狭軌の通勤電車です。 新幹線ではありません。

短所(6)
ここまでNMRA志向を強めたからにはHOn2、HOn3と言う表記はせざるを 得ません。
それらは7mm、10.5mmゲージを使うことになるのでしょうか。
日本の現実は、2ft、3ftのナローで一つの模型世界を構築するほどの キャラクターを持っていません。  しかし、棄ててしまうには惜しい役者が存在します。  彼らは現実には9mmゲージを使う軌間762mm(ニロク)ナローに混ぜて製品化 されています。 模型業に携わる者として適切な処理だと考えます。 製品規格名は HOナローです。
NMRAかぶれとしてはこれを否定せざるを得ないのではないでしょうか。 それは 日本のナローファンの現実とは相容れないです。

短所(7)
日本人は、ヨーロッパ以上にフィートインチから遠い意識で暮らしています。
フィートなどはワードでは一発で変換できません。  フィーと になってしまいます。
インチは何ミリなのか大概の人は知らないでしょう。
もちろん何インチで1フィートになるかも知らないでしょう
とっさにはどっちが大きい単位なのかも判らない人が多いと思います。

短所(8)
(7)からの続きですが、日本の在来線のゲージが3フィート6インチということは、 たとえ鉄道ファンでも知っているひとは僅かです。 (大勢に質問した結果です)
1067mmのほうは大概の方が知っています。

短所(9)
日本の在来線は実はサブロクではありません。 メートル法による1067mmです 。
英国人の指導の元、汽笛一声新橋を・・・・ の時点では3フィート6インチだったはずです。
日本がメートル法を採用してほどなくメートル法による1067mmに改められまし た。
(3ft6in=1066.8mm)
だから、3フィート6インチである、ましてや3フィート半であるなんて知らないの が当然の事なのです。

短所(10)
「HOn3−1/2」は「HOj」の10倍とっつきにくい名前だと思います。


HO1067

長所 (1) 日本人に狭軌の模型であることが直ぐ判る
    (2) 欧米人も日本のメインライン=1067mmという知識も含め即理解できる
    (3) 欧米の規格命名法との整合性は「やや良い」
短所 (1) 長い
    (2) なんと読んでいいかわからない
    (3) O(オー)と0(ゼロ)が並んで出てきてしまう
    (4) ナロー物はHO762となるのか?すると困ることが・・・・
    (5) 南アフリカのサブロクは1065mmゲージです

これは日本型狭軌のHOスケールが登場したときの名称です。
エリエイ=プレスアイゼンバーンが使っていましたが、後述するHOsに改名してし まいました。
熊田貿易も12mmゲージという名前を使っていて、現在使う者が無い規格名です。
鉄道に興味が無くても日本人の多くの人がこの1067mmという中途半端な線路幅 を知っています。 国鉄の「狭軌在来線」だなというところまで連想が行ってしまい ます。
そういう点において卓越した名称であると思います。
更に言えば、この名称には日本の鉄道の置かれた問題ある立場;改軌せず狭軌を使い 続けていることと、その鉄道模型界の問題ある立場(HOスケールにした場合16. 5mm線路に載らない)を明らかに示して見せ、「ナローゲージなんだよねえ」とい う無責任で突き放した態度と180度違う問題意識を見せていると感じます。
1067ミリという在来線の線路幅は、我々「鉄」の「道」を究めんとする者にとっ て毎日息をして生きていることの次に来るほど重い事実なのです。

短所(1)
長い
短所=長い まるでお笑いみたいですが名前が長いのは常に短所です。
長すぎるほどではないのですが、やはり長いですね。

短所(2)
「エイチ オー イチ ゼロ ロク ナナ」
「エイチ オー センロクジュウナナ」
読み方は統一出来そうにありません。 (どうでもいいことかもしれません)
長さは13文字と13.5文字ですね。
しかし前に出てきた16文字に比べてスムーズなのでストレスは1/4と判定します 。
エイチオーが省略されて呼ばれるような気がします。 (HOn3−1/2の場合 不可能)

短所(3)
見た瞬間、何とかいてあるのか判らない感じがします。
理由はOと0の両方が出てきてしまうので何処まで英字で何処から数字なのか瞬時に 見分けられません。

短所(4)
サブロクがHO1067とすると、ニロクはHO762でしょうか。
ナロー製品はニロクしか発売しないとすれば問題ないのですが、 2ft(東洋活性白土)とか3ft(西大寺)を出すとなると
HO610(レールはHOiと共通の6.5mmか?)と
HO914(レールは10.5mmでしょうね。  これこそホンモノのHOn3!)でしょうか・・・・・・・・ ちょっと遊びにくいことになりそうです。
現実の東洋活性白土や西大寺の製品はゲージ=9mmで製品化されています。
名前はHOナローです。
こちらの方が現実的な選択だと見えます。
その現実的な選択と相容れない感じがするところこそHO762と言う名前を 導かざるを得ないHO1067という名前のきわどさです。

短所(5)
日本はサブロクをメトリックに直すとき1067mmとしました。
南アフリカ共和国は1065mmと、もっと思い切ったメトリックらしい切れ目に 持って行きました。
これは多分スタンダードゲージが偶然1435mmという5mmの切れ目に来ていた からだと想像します。
もし有名な南アフリカ国鉄の25Cや16EをHOで作ったら、HO1065と称し て微妙に違う名前にしなくてはならなくなるかもしれません。
インドネシアや台湾は1067mmですので大丈夫です。
ところが同じと思っていたニュージーランドは3ft6inです。  フィートインチの国の人はメトリックによる名称には馴染めないでしょう。  もっとも、ニュージーランドのHOスケールはニュージーランドのルールにのっとっ てNZ87と呼ばれるべきでしょう。
更に言えばニュージーランドでは、HOのレールが利用できるNZ64(Sスケール )の方が盛んのようです。


HOs

長所 (1) 簡潔
    (2) 欧米の規格命名法との整合性は「良い」
短所 (1) Sという規格が既にあり、紛らわしい
    (2) 小文字のsが何であるのか説明が必要
    (3) この小文字のsは見落としそうな感じがします

最も新しく提案された1/87 12mmの規格名です
文字の形はHOjよりもはっきりと「良い」です
(良い;HOn3,HOm,HOe 悪い;HOj、HOi)

短所(1)
S−Scale とは1/64です。  天賞堂からHOの16.5mmの線路を借用する蒸機の日本型ファインスケールモデル が発売されたのでその縮尺が日本でも知られるようになりました。
1番ゲージの半分の大きさで、TTゲージはこれの約半分です。
「S」の標準軌車両のモデルは製品として死滅状態ですがSn3という 3フィートナローに製品や愛好者が居ます。
HOから見ると隣接している縮尺ですので規格名にすると混同、誤解の元になりそう で嫌です。
また、HOsという名称を使うとなれば、 Sの狭軌モデルはSsになってしまいます。
Sの狭軌スケールモデルはHOの線路が利用できるので日本と同じ狭軌の ニュージーランドで盛んだと聞いていますし、 なかなか将来性のある規格だと思います。
その名称がSsというよく解らない表記になってしまうとすれば添付文字としては 不味い選択だったんじゃないかと感じています。
天賞堂からSスケールが発売される前だったのでこの小文字のsが考案されたものと 思います。

短所(2)
小文字の「s」はサブスタンダードを表すものだそうです。
サブスタンダードとは、メーターゲージやサブロクを差し、スタンダードゲージでは ないけれどメインラインを構成する鉄道を指す言葉との事です。
聞きなれない言葉でもあり、説明が必要になってしまいます。
また、必ずメインラインに使われているサブロクは良いのですが、メーターゲージの 場合はそれでメインラインを構成する国(東南アジア、アフリカ、南米に多い)と、 ナローゲージとして使う国(スイスなど)が有ります。  ナローとして使われてしまえばサブスタンダードという言葉が相応しくない感じで HOmの方がずっとよい感じがします。 同じ軌間で統一が難しい感じがします。 ならばHOsはサブロクだけを指す事にすればよいという考えも容易な選択ではあり ません。
サブロク⇔メーターゲージは寸法が近いので実物の場合でも改軌して使う例が多いか らこそHOsと呼ぶ基本的な思想が感じられるからです。
また、もしサブロクだけを考えてアルファベット一文字を添付するならHOcの方が 国際的な理解が得易いです。
しかし、これもcはケープゲージ;国際的に通用するサブロクの別称; 狭軌の線路延長は南アフリカが世界最長だからこう呼ばれています; という説明が必要になってしまい、 日本で使うには余り適当とは思われません。

短所(3)
HOjよりは文字の形が良いせいでしょうか、この「s」は見落としてしまいそうな 感じがします。 j が邪魔な感じ、やたら主張している感じがこの「s」には無い です。


HO12

長所 (1) 簡潔
    (2) 1/87 12mmを指す最も一般的な言葉「12ミリ」に合致するイメージ
    (3) ナローはHO9となり、便利そうである
短所 (1) 欧米の規格命名法だと添付は実物の線路幅です。 それに合わない。
    (1) メーターゲージとサブロクが区別できない名前である。
    (3) 何処までがアルファベットで何処までが数字だかわかりにくい。

このHO12は英国風命名法による名前です。

エイチオージュウニ、この長さまでは呼んでもらえそうです。
12ミリという「1/87 12mm」を呼ぶ最も一般的な名称と連携がとり易く、 多くのお客様にも理解され易いと思います。
また、ナローも程度良く曖昧なHO9という名称になりそうで、3フィート、 2フィートを本来なら「ニロク」である線路に載せるのに都合がよさそうです。

短所(1)
欧米の標準軌以外の模型の規格命名法では、縮尺は大文字、実物の軌間を小文字で 添付します。 それには合致しないので少し気持ちが悪いです。
英国風はTT9以来少し抵抗がなくなりましたが日本ではおなじみではありません。
また、既に欧米風(非英国風)の名称を使っている会社(例えばIMON)は、規格 名称の考え方が全く違ってしまうので、使うのは抵抗があります。
ある規格では実物のゲージを添付する。 (例えばHOm)
ある規格では模型のゲージを添付する。 (例えばHO12)
となれば、その会社がどういう姿勢で模型に向き合っているのかわからないようにな ってしまいます。

短所(2)
IMONでは1067mmゲージのHOスケールと、フェロー・スイスブランドで 1000mmゲージ(メーターゲージ)の両方を製造しています。
どちらもHOスケールで12mmゲージの線路を利用します。
英国風のHO12という名称を採用すると、両者とも同じ名称になってしまいます。
ところが、メーターゲージは車両が小さく、腰が低く、車輪径が小さくナローとして の要素がはげしく前面に出てきます。  日本型狭軌車両とこれほど違うのか!と驚くほど大きさが違います。  一番違うのは車両の長さ、それゆえに重量が大まかに言って倍、 多くの場合それ以上違います。 実際製造していて両者に共通の部品はありません。
だいいち片方はメインライン、片方はメインラインから分岐するナローです。
これほど違うものを同じ名称とするのは余りにも抵抗が大きいです。

短所(3)
エイチゼロイチニに見えます。
欧州MOROPは「ハーフ・ゼロ」を正式にしているので、この見方は正しいのです 。
12の文字を小さく表記すれば解決する感じがします。  (HO1067も同じです)
しかし、英国風は模型のゲージを大文字で「OO9」などと表示するスタイルです。
12を小さく書くと欧米式になり HO12 は0.14mmゲージになってしまいます 。



2007/6/7